5/27(月)通常営業
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5/16に沖縄地方が梅雨入り宣言されましたが、あれから10日間、雨が降ったのは1日だけ。おかげでこの時期には滅多にないカラッと乾燥した過ごしやすい空気になってます。今日から予報では雨マークになっていますが実際にはどうでしょうか、降りますかねぇ。
一方、北海道では38~39℃の猛暑と聞いて驚くばかりです。波照間の最高気温は30.7℃でしたから北と南で逆転しちゃってますね。これからは沖縄が全国で一番涼しいということが常態化するかもしれないですね。
さて先日のお休み期間中は染織工房のお仕事に時間を割きました。草木染めのオーダメイド服を作製するため生地を切り出し前処理した後、フクギの染液に浸けました。
フクギは沖縄では屋敷林として集落内に植えてある馴染みのある木です。黄色い成分をたくさん含んでいて染色のときには剥がした樹皮を使います。とはいえ生木から樹皮を剥がすと木がいたんでしまいます。そこで夏場に台風で木が倒れた時に樹皮を剥がして乾燥保存させておいたものを使います。上の写真の樹皮はおそらく樹齢100年ぐらいは経っていると思われます。
これらの樹皮を洗濯ネットなどに入れ煮だします。沸騰してから約1時間煮出して染液を別の容器に移すという作業を3回繰り返します。ここまでで5~6時間はかかりますが、ガス火をじゃんじゃん焚くので、工房内はサウナのような暑さでした。
前処理した布を染液に浸すと鮮やかな黄色に染まります。すでにとても美しい色ですが、草木染めの場合、これだけでは色素がまだ布に定着してはいません。この後、媒染(ばいせん)という色素を定着させる処理をすることで、洗っても落ちにくい状態になります。
媒染は主に金属イオンを含んだ液に浸して行います。上の写真はミョウバンを湯に溶かした媒染液に浸けたところでアルミニウムイオンが布にくっついて色が固定されます。液に浸けたところがより鮮やかに濃くなりました。
一方、鉄イオンを含んだ媒染液に漬けると、黄色い布が化学反応を起こしてこげ茶色になります。同じフクギ樹皮から染めだしても媒染液が違うと全く違う色になるというのは、草木染めの面白さの1つですね。
草木染めは火を使うので暑いし、大きな鍋で煮出す力仕事だし、何度も洗う過程がある水仕事でもある一方で、ちょっとしたことが結果を大きく左右する繊細な仕事でもあります。結果的にうまく染め上がった時には、良かったという安堵とともにぐったりと疲れを感じました。
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